学生・研修医の方へ

Q & A コーナー

Q. どうして脳神経内科になろうと思ったんですか?
  1. 研修医時代に福井大学の脳神経内科をローテートしていて、診断のつかない、退院の見通しが立たない患者さんに対して(上級医があまり積極的に解決策を考えているように思えず)、自分で勉強して解決策や診断を提案していったら、「それでいい、そうしよう」と認められていい気になってしまい、やりがいを感じて入局してしまった。あえて言えば、例え知識のない研修医でも、自分で勉強すれば初期から活躍できる点が魅力だったのでしょうか。あとは何となく脳ってかっこいいと思ったから。
  2. 祖母が認知症になったことが、脳神経内科学に興味を持った一番のきっかけです。治療法がまだ見つかっていない疾患も多く、患者さんの「困ったこと」に向き合う医療にやりがいを感じています。
  3. 学生実習の際に、福井県済生会病院で神経内科の先生にお世話になったことがきっかけです。時に不思議な主訴から症状を紐解いて原因を突き止めていくところに魅力を感じました。研修医のころに神経内科疾患なんて治らないとずっと言われてきましたが、劇的に治るケースもあります。また新しい治療法もこれから出てくるところだと思います。一方でまだ治らない疾患の患者さんとどう向き合うかも神経内科医、医師の大切なテーマだと感じています。
  4. 医学生の頃、検査でわからなくても「歩きにくい」など本人だけが抱える不安が脳神経内科には多いと知りました。病歴聴取と神経学的診察で病態と局在を見極め、「病気ではありません」または「治療が必要です」と正しく伝え、安心させてあげたい、といった思いで脳神経内科を志しました。
  5. 医局の雰囲気、脳神経内科の先生方の人柄にひかれて入局しました。
  6. 学生の頃から神経診察を行い、神経路を考えながら神経局在診断を行う神経学に興味がありました。それに画像や検査所見を組み合わせて診断を進めていく過程に魅力を感じ、診断が難しいからこそ、専門性の高さとやりがいを感じることができると考え志望しました。
  7. 診断が分からなかった病気に対し、「この疾患か!」と判明した時に、名探偵コナン君になれた気がするからです。
  8. 問診や診察所見から画像所見を重ねて診断を導いていくプロセスに魅力を感じたからです。
  9. 学生のころから神経内科や代謝内分泌内科の勉強が面白いと思っていました。実際どちらも研修医として働いてみて、原因の分からない神経症状に対して悩みながら答えを出していくプロセスが面白いと思いました。また、治らない疾患も多い中で、患者さんにとって何が一番いいのか考えながら人生に寄り添っていくところに魅力を感じました。

以上、複数名による回答となります。参考にしてくださいね。

Q. いつ入局をきめましたか?
  1. 研修医1年目で脳神経内科を回った際に決めました。
  2. 私が入局届を提出したのは初期研修2年目ですが、進路を固めたのは金沢大学医学部6年生時の夏です。全国の脳神経内科を選択肢とし、各病院の見学を重ねた結果、温かい雰囲気に惹かれ、本学脳神経内科の入局を決意しました。
  3. 研修医2年目の11月くらい。他の科の勧誘はしつこかったけど、脳神経内科はあまり勧誘されなかったから気が楽で入った。
  4. 研修医2年目の12月です。迷いに迷って、他科に入局宣言してから2日後に、やっぱり脳神経内科にお世話になることに最終決定しました。
  5. 研修医2年目の6、7月に脳神経内科をローテートし、その際に若年性ALSと診断してよいか悩んでいた方の精査入院がありました。脳神経領域で診断をつけることは、患者さんの人生を左右することになるため、とても責任の重いことではありますが、一つの症例に真剣に向き合う上級医を見て、私もこうなりたいと思い入局しようと決めました。

以上、複数名による回答となります。参考にしてくださいね。

Q. 義務年限のある奨学生ですが、問題なく研修は可能ですか?

可能です。 実際に義務年限のある奨学金を受けている先生も複数おり、福井県内の関連病院での研修や勤務を通じて、奨学金の条件を満たしながら専攻医研修を行っています。 奨学金の条件として地方病院で働きながらも、週に1回の帰学研修があり、大学病院に入院している患者の診察やカンファレンスに参加することで地方では珍しい症例等の専門性の高い内容も学習することができます。 専門医のいない地域での勤務は、社会的ニーズに応える重要な役割を担っていると考えています。

Q. 結婚や子どもなどライフイベントの両立は可能ですか?

可能です。家族とライフイベントへの価値観を共有し「両立したい」気持ちを示すことが大事かと思います。 子どもがおられる先生方は多く、休みの日や平日の子どもが起きている時間はなるべく子どもと過ごせるように調整されています。 また出産に立ち会ったり、新婚旅行に行ったり、子供のイベントに行けるよう周囲のスタッフがサポートしています。
発足間もない教室だからこそ、研修医・医局員の皆さんで理想の働き方・柔軟な仕組みを一緒に創ることができればと思います。 特に女性の医師には大切な問題と思いますので、両立できるようスタッフ全員がサポートできる職場を目指しています。もちろん男性でも育休取得は可能ですし、相談次第で融通はいくらでも利きます。

Q. プライベートは確保できますか?

できます。 プライベートを大切にできる働き方が最重要だと考えています。「働き方改革だから」と形だけ整えるのではなく、現場の声を拾い上げ、オンとオフを両立できるような働き方ができればと思います。 実際、休日など家族と過ごす時間は確保できますし、休日のオンコールなどを調整して、県外への勉強会に参加したり、大学の同期とごはんに行ったり遊びに行ったり、趣味を満喫されている先生も多いです。 夏休みは他の先生と期間をずらして1週間程度とることができます。

Q. 福井大学脳神経内科の強みはなんですか?

新体制で生まれ変わり、脳卒中領域に強い施設となりました。脳卒中に関する最新の知見を得るには良い教室だと感じます。また、まれな疾患や診断に悩ましい症例など、カンファレンスで神経所見を一通りとり、議論ができるところは魅力的だと思います。 専攻医目線では、先輩方が優しくてすぐに相談に乗ってくれて、ノリもよく活気があり、仲がよいので働きやすいことです。 医局全体としては、風通しがよく、永平寺の地域中核病院として概ねどんな神経疾患でも診れる点、また県内の難治性・診断の難しい患者さんが紹介されてくる最後の砦の役割があります。 また遺伝性の神経疾患についても臨床遺伝専門医がいるので割と得意とするところです。

Q. 基幹病院で働くか迷っているのですが、大学で働く強みを教えて下さい。

勤務先に優劣はなく、まず大切なのは自分の希望ですが、大学病院では難治性疾患の患者さんを「何とかしたい」という臨床の思いを研究として深く追究できます。日々の疑問を学問として探求し、得た知見を再び診療へ還元できたときに、医師としての大きな歓びがあると感じています。
また、これ以上の高次医療機関に転院するという選択肢がないため、分からないことに出会ったときにも逃げずに一つの事を突き詰めて考える力は大学病院でこそ育つと思います。

Q. 専攻医はどのように勉強をしているのですか?勉強会などはあるのでしょうか?

定期的な抄読会、症例検討会、神経所見の実技指導など週1回あり、研修医・専攻医・指導医が一体となって学ぶことができる環境が整っています。 また、ご高名な先生方を招待して開催される講演会やセミナーも多く院内外を問わず学習の機会が充実しています。
2025年度より、神経内科専門医対策勉強会を脳神経内科教授自らが主宰して、指導医クラスも集めて開催しています(試験まで複数回施行予定)。 また、普段よりケースカンファレンスが開催されるので、そこで作成したサマリが、専門医資格用の症例サマリとして応用できます。

Q. 大学院はいつごろ考えるのですか?また研究内容はどのようなものですか?

大学院入学時期に明確な決まりはありません。入局時より大学院に入る方、6・7年目に入る方、神経内科専門医を取得してから入る方など様々です。 過去の研究内容としては、脳画像解析に関する研究や認知症に関する研究(アミロイド蛋白、ビタミンとの関連など)、細胞内シグナル伝達経路の解析などの他、地域医療推進講座の山村教授のもとでフィールドワークなども行っています。

Q. 将来留学をしたいのですが、できますか?

留学先として国内と海外、内容として臨床と研究のどちらでも可能です。 国内では新潟大学や国立循環器病研究センターなど、海外では米国NIHなどへの留学実績がありますが、本人の興味や状況に応じて柔軟に行き先や時期を一緒に考えます。 臨床にしても研究にしても、世界や日本のトップで勉強した・知らないところで切磋琢磨した経験と人脈がキャリアパスと専門性を伸ばすためには絶対に必要ですので、できるかぎり医局員全員に何らかのかたちで留学を経験してほしいと考えています。 ぜひ入局時から留学先をいろいろ想像してみてください!